HOME 事業承継対策と報酬 > 第二部 ~ 事業承継に係る税制を知る ~ 8. 納税猶予制度の適用を受けた後の注意点

事業承継対策事業承継対策 ~「事業承継税制」活用のポイント~

第二部 ~ 事業承継に係る税制を知る ~

納税猶予制度の適用を受けた後の注意点

納税猶予制度の適用を受けた後、注意するポイントは?
  • 経済産業大臣、税務署への報告
  • 納税猶予の適用を受けた後、経済産業大臣へは5年間、税務署へは納税猶予の期限が確定する日まで、毎年、それぞれに報告書及び届出書の提出が必要となります。
    この報告書及び届出書を期限内に提出することを忘れてしまうと、納税の猶予が終了してしまうこととなるので注意が必要です。
  • 会社の規模や雇用の維持など(継続要件)
  • 資産保有型会社、資産運用型会社の判定
    納税猶予期間中の1日でも、資産保有型会社又は資産運用型会社に該当してしまうと、納税の猶予が終了してしまうこととなります。
    ただし、納税猶予期間中も3つの事業実態基準を満たしていれば、資産保有型会社及び資産運用型会社に該当しないものとみなされます。
  • 雇用の維持の判定
    経済産業大臣への報告基準日において、常時使用する従業員の数が、贈与の日又は相続開始の日の従業者の80%を下回ってしまうと、納税の猶予が終了してしまうこととなります。
    ただし、報告基準日以外いずれかの日において、80%を下回っている場合や、5年を経過した後に80%を下回った場合においては、納税猶予が終了することはありません。
    また、1未満の端数は切り上げとなるため、当初の従業者数が4人以下の場合には、人数の減少は許されなくなるということに注意が必要です。
    ≪ 4人 × 80% = 3.2 ⇒ 4人 ≫
  • 株式の譲渡又は贈与
    納税猶予の適用を受けた株式を5年以内に一部でも譲渡又は贈与した場合には、納税猶予額の全部が打ち切りとなります。
    また、5年経過後に一部のみを譲渡又は贈与した場合においては、その部分に係る納税猶予額が打ち切りとなります。
  • 役員要件
  • 『贈与税の納税猶予』の場合・・・
  • 贈与税の申告期限から5年以内に先代経営者が役員(代表者でない無給の役員を除く)に復帰すること、又は、後継者が代表者を退任した場合については、納税の猶予が終了してしまうこととなります。
  • 『相続税の納税猶予』の場合・・・
  • 相続税の申告期限から5年以内に後継者が代表者を退任した場合については、納税の猶予が終了してしまうこととなります。
納税猶予制度の適用を受けた後、継続要件を満たさなくなった場合どうなる?
  • 納税猶予の取消し
  • 納税猶予の適用を受けた後、資産保有型会社に該当しないことなどの一定の継続要件を満たさなくなった場合には、納税の猶予が終了することとなり、猶予額の全額と利子税(原則、年3.6%)を納付しなければなりません。
    継続要件については、5年以内のもの(雇用の維持など)と、猶予期間中続くもの(資産保有型会社に該当しないことなど)に分かれます。
納税猶予額が免除となる要件は?
  • 贈与税の納税猶予
  • 次のいずれかに該当することとなった場合などには、納税猶予額が免除されます。
  • 先代経営者である贈与者が死亡した場合
  • 先代経営者の死亡前に、後継者が死亡した場合
  • 相続税の納税猶予
  • 次のいずれかに該当することとなった場合などには、納税猶予額が免除されます。
  • 後継者が死亡した場合
  • 申告期限後5年を経過したのちに納税猶予の適用を受けた株式について、贈与税の納税猶予の適用を受ける贈与をした場合
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