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相続税対策

自社株対策のポイント(4) 評価方法を変更する対策

【Question16】
株式の評価を下げるには、配当、利益、純資産、含み益を減らす以外にはないのですか。

ポイント:
①会社規模の区分を変更する
②特定会社の区分を変更する
③特例的評価方法を活用する 方法でも評価が下がる場合があります。


【Answer】
■評価方法の変更
取引相場のない株式の評価方法は、類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式を使って評価をします。どの評価方法を使うかは、会社規模の区分や株主の区分によって定められていますが、これらの区分を変更すれば評価方法が変わり、株価が低く計算される場合もあります。

区分を変更する方法には、次のようなものがあります。

① 会社規模の区分を変更する
原則的評価方法は、会社の規模などによって類似業種比準方式、純資産価額方式、その併用方式があります。一般的には、純資産価額より類似業種比準価額の方が低く評価される場合が多いことから、類似業種比準方式が使える割合が多い会社区分-すなわち、小会社よりも中会社、中会社よりも大会社-に変更すると有利といわれています。

具体的には、イ.増資をする、ロ.合併をして純資産を増やす、ハ.異業種に進出するなどして取引金額を増やす等の方法が考えられます。この場合、注意すべき点は、従業員数基準を満たすことです(Q6参照)。

② 特定会社の区分を変更する
評価会社が土地保有特定会社や株式保有特定会社、開業後3年未満の会社等の特定会社に該当する場合には、原則として純資産価額方式しか使えないこととなっています。①でもふれたように、一般的には純資産価額方式の価額よりも類似業種比準方式の方が低いため、評価会社がこの特定会社に該当するのであれば、一般の評価会社に該当するように変更すれば評価額は低くなる場合があります。

その具体的な方法は、イ.土地又は株式の売却、ロ.設備投資などをして資産の構成割合を変更する、ハ.会社分割や合併により対象資産を減らす、又は資産構成を変更する等が考えられます。

③ 特例的評価方法を活用する
取引相場のない株式の評価方法には、原則的評価方法と特例的評価方法とがあります。特例的評価方法である配当還元方式で評価した価額は、原則的評価方法(類似業種比準方式、純資産価額方式、その併用方式)で評価した価額より一般的にははるかに低い価額になります。オーナー株主の株式をこの配当還元方式が適用される株主に売却、又は贈与をすれば相続財産がかなり減少することとなります。

具体的には、イ.甥や姪への株式贈与、ロ.従業員持株会への株式譲渡(Q17参照)等が考えられます。

(『同族会社の事業承継と税務対策』より抜粋)

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