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相続税対策

上手な生前相続税対策(1) 安い贈与もある

相続税法の中には相続に関する規定と、贈与に関する規定がある。
これは、贈与税は相続税を補完する税であるという位置付けにがされているからだ。

つまり、例えば、二人の人がいて、同じ財産を持っているとしよう。甲さんはその財産を相続まで持ち続けて相続税がかったが、乙さんは生前に財産を全部贈与してしまったので相続税が一銭もかからなかった、というのでは非常に不公平である。

したがって、この贈与について相続税の前払いのような贈与税をかけて課税の公平を図っているのである。

一般的に贈与税は、相続税よりも高いと言われているが、長時間をかけ、分割贈与を実行すれば、相続税の負担よりも確実に低く済む。それは、贈与税の計算方法が、相続税の計算方法と異なること、課税対象となる評価額が贈与時の評価であることなどに原因がある。

つまり、贈与税には、贈与を受けた人、一人一年につき110万円の基礎控除があり、これは毎年使えるのだ。この基礎控除だけで10年間で1,100万円、20年かければ2,200万円にもなり、これを3人に贈与するとなると、10年間で3,300万円、20年で6,600万円が無税で移転することができる。

また、贈与に対する税負担率は下記のようになっているが、相続税の税負担より低い範囲で贈与するのであれば、その負担は、確実に下がることになる。




贈与による生前対策の考え方を整理すると次のようになる。

①長期間かけて贈与する
一度にたくさん贈与すると贈与税が高くなるから長期間かけて分割贈与する。

②分散して贈与する
一人よりも二人、二人よりも三人に贈与する方が多額の財産を移転できる。

③相続税より低い贈与税負担率の範囲で贈与する
相続税の負担と贈与税の負担を比較し、低い負担の範囲で贈与する。

④評価額が上昇しそうな財産を優先して贈与する
贈与税の対象となる財産の課税価格は、その贈与時の評価であるため、今後、評価が上昇する見込みの財産があるならば、それを優先して贈与する。

⑤値上がりしている上場株を贈与する
上場株の評価は、贈与日の最終価格、贈与をした月、その前月、およびその前々月の最終価格の平均額のうち一番低い価格が評価額となる。したがって、3ヶ月間の値上がりが大きい上場株があれば贈与(負担付贈与はダメ)する。

⑥自社株を贈与する
後継者が決まった経営者は、後継者に対して毎年計画的に贈与を実行する。

(「生前遺産分割のすすめ」より抜粋)

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